病の本質を知ることを怠れば
病気の根治はできません
現在、日本において実践されている多種にわたる生薬を用いた治療は、主にエキス剤によるものです。そしてそれは「傷寒論」や「金匱要略」を原典とした処方が中心となっています。私が考察するに、この二点の文献による処方内容は、どちらかというと日々生活していく上で生じる様々な症状をなくすことが中心となっており、その奥に潜む病の根源をつくものは少ないように思われます。
なぜそういった考えに至ったのか。それは「素問」の本質を理解しないで構築されたからです。確かに部分的には「素問」の思想は反映されていますが、真髄にはほど遠いです。
その証拠に、いろいろな流派の漢方医、又は国家をあげて取り組んでいる中医学にしても、この世で病に苦しんでいる人をどれほど救うことができたでしょうか。
具体的に述べると癌や免疫病を克服できたでしょうか。
そうじゃない、科学が進歩して、次から次へと病が具体的に出来たからだ、という意見もありますが、それでは現在進行中の新型コロナはなぜ克服できないのでしょうか。
私が思うに、人の考えることは全く愚かで、現代においても数千年前の人々も、目先の苦しみからの解放が中心で、病の本質を顧ることはない。というのが現状ではないでしょうか。
この講習の意義は、病のうわべの姿ではなく、根の部分を知り、そして対処する方法を考えることにあります。
今、この時代において漢方薬による治療は、病の本質を見ていません。
皆さん、単なる経験による伝承に基づいて治療することの恐ろしさを考えたことがありますか?文字に残したことにより、様々な勝手な解釈が生じ、そしてそれが一人歩きして、本質からどんどん遠くなっていくのです。文章化するということは本当に恐ろしい事だと私は感じています。書き手の意図を正しく理解しないまま理解したつもりになるのはとても危険です。
そしてそれは私の講習会における資料も同じことが言えます。ですので、私は直接顔をつき合わせて伝授したいと考えています。なおかつ、私の資料が無闇に広がらないようにしているのです。
この講習(1DAYセミナー)では、この本質を教授し、誤った処方により多くの人達を苦しめることがないように出来たら、少なくとも私のこの度の講習は成功したと考えます。
間違った処方では人は治せない
~正しい知識から正しい処方を~
今この一瞬の時が過ぎる間にも、新型コロナは収束するどころか静かに深く蔓延しています。
日本においては「麻黄湯」「葛根湯」などの漢方薬製剤、カロナールなどの解熱剤が多用されています。新型コロナウイルスに対し、これは完全に間違った処方です。高熱に限りアセトアミノフェン製剤を頓服で使用するのは良いとしても、「麻黄湯」「葛根湯」などを使用するのは誤りです。
その誤りの基は、日本では一般的に、傷寒(風邪)は、【太陽】→【少陽】→【陽明】と病が進行すると考えられているからです。「素問」を無視し、その違和感に対する理解を諦め、変な解釈をし続けているからです。
私の見るところ、新型コロナに感染し、その後、後遺症を抱え込んだ人の割合は3/5程。その人達が何らかの症状で苦しんでいると思われます。
その中でも最悪なのは、本人自身が自覚することなく、後遺症が徐々に身体の奥に深く進行していることです。特に心配なのは、生殖器と心臓へのダメージです。
ではなぜこのようなことになっているのか…。
それは【発汗】させて【解熱】しているからです。
新型コロナウイルスは、自然に、自ずから発汗させることは良いのですが、上述したような解熱剤(例えば「葛根湯」など)で無理に発汗させてはいけないのです。
新型コロナウイルスなどのウイルス感染症による高熱は【相火の暴走】です。だから無理に発汗させてはいけないのです。原因が全く違うのにもかかわらず、無理に発汗させたためにコロナ治療後に多くの人達が後遺症に苦しむことになるのです。
それでは原因は何処にあるのでしょうか。
一つ目は、前述のように傷寒は【太陽】→【少陽】→【陽明】と信じていること。二つ目は寒による傷寒は、主に君火に問題があるということ。この二点に尽きます。
おそらく漢方を志す90%以上の人達でさえその意味は分からないでしょう。そんな人達が漢方薬を処方するのですから、新型コロナが終息するはずもありません。この罪はどう償えば良いのでしょうか…。
私が今回行う講習会(1Dayセミナー)では、具体的に生薬及び処方について間違っている所を指摘し、漢方を処方する人達に正しく理解をしてもらい、医療にかかわる者として患う人達に対しこれ以上罪を作らないようにしたい、と考えています。
その薬、
本当に効果があると思っていますか?
~コロナ禍における対症療法の間違い~
新型コロナウイルスが蔓延して3年。ようやく第5類に引き下げられ落ちつきを見せ始めたように思われていますが、世間では新型コロナ感染者やワクチン接種後にヘルペスなどのウイルスによる感染者が増加しているが、原因が不明である。と言われています。
しかし私に言わせれば、東洋医学を志す人達はすぐに気がつかなければいけません。
特に中医学や漢方の大家と言われる人間は。私のような場末の、細々と営む者でさえ理解できるというのに…。
このような状況下では、コロナ禍は収束することはなく増々悪化の一途をたどり、コロナ及びコロナワクチンの弊害の後遺症で人口は減少し続け、現在の社会構造そのものが崩れるのも時間の問題でしょう。
どういうことなのか。
ここで簡単に説明しましょう。陰陽五行(素問を基本とする)から考察すると、ウイルスや様々な菌や最近の感染の基本は胃(陽)の過度の亢進であることに気付いてください。
では胃(陽)が亢進する原因は何かというと、脾(陽)、脾(陰)の低下です。
軽症の場合はこれで済みますが、悪化してくるとさらに胃(陰)まで低下し、胃(陽)の暴走を阻止できなくなります。そしてこの暴走が止められないと、死が待っているという機序です。
つまり㊏生㊎が滞り、㊎=肺に問題が生じるのです。
この観点から、現在の対症療法がいかに無駄であるかということが理解できるでしょう。
したがって「麻黄湯」や「麻黄附子細辛湯」を処方するというのは愚かと言わずにおれません。ひいては葛根湯もダメなのです。